ノイズをみた

邪な人間だからケイタ(藤原竜也)とジュン(松山ケンイチ)も邪な目で見たことを懺悔します。



誤って人を殺してしまい、事故だ正当防衛だ自首すべきだって話してたら一番しっかりしなきゃいけない駐在のシンイチロウ(神木隆之介)が隠しましょうと提案してしまったせいで始まる嘘だらけストーリーなんですけども、一番の推しポイントはボケ老人vsパワハラ町長のバトルですね……。
急に?! ってタイミングで始まって声出そうになった。
めっちゃ面白いだろあのシーン。

刑事さんが後半ずっと「お前は何を守ってるんだ」とか、外の人間は島の安寧を乱すって敵視してるのに対して「なんなんだよお前らは!」って叫んだりするのめっちゃ良かった。
島おこしだ〜って盛り上がってるけど田舎ってそうなるよな……みたいな。
救世主だってケイタを盛り立ててたけどひとつでも失敗したら全部ケイタに押し付けるんだろうし。
テレビの人と刑事さんも言ってたけど特産にしたい黒イチジクも初見の「なんだこれ」「グロテスク」が多くの人の反応で、内と外でギャップがあんだよな……育ててもらった恩返しをしなければならないっていい呪いだと思います。
きっと何も無くてもあの島は終わってる。

ラスト、最後まで嘘突き通したジュンに対して刑事さんがお前それでええんかって言いつつジュンの抱えてる“闇”を映してるところはふーん、て感じだった。
幼なじみに引っ張られずに島を出ていけば良かったのに、と地元から出られずにいる自分が思ってるこの……うーん。
出られねぇよな、なんか。
きっと自分って自分が思ってるよりどんな所でもなんでもやれるはずなのに自縄自縛に陥っちゃうんだよな。
自分の可能性、ステータス上限までまだ枠があるのが分かってるのに動き出せない。
どうせだったら失敗してから田舎に戻ればいいのに最初から居続けてしまう。
身動き取れなくなる前に野垂れ死に覚悟で旅人になってみたかった。
私はこの田舎から出られない。
カナがケイタを田舎で待つように、ケイタが出所後田舎に帰ってしまうように、ジュンが田舎で燻り続けるように。

多分こんな気持ちにさせるぞ〜!って感じに作られた映画ではないと思うのでこれは自分がひねくれてるだけですね。