ウマ娘の話

同い年フォロワー組のなうちとさらちが「観ろ」「ゲームやれ」「ウマ娘はいいぞ」と執拗に勧めてくるためとりあえずスマホゲーム「ウマ娘プリティダービー」をインストールしてしまった。

競馬自体は去年の菊花賞天皇賞・秋辺りから会社の人経由で初め(全然覚えてないけどコントレイルとかアーモンドアイ、ラッキーライラックの名前をかなり見たのでまじで秋くらいとしか……)、その頃からなうちに、「たち、競馬を始めたのか。ウマ娘を観ろ……」と言われ続けていたのを、「いや、馬の擬人化とか興味無いわ」とスルーしていたのだ。

年が明け、春のG1レースラッシュから本格的に競馬にのめり込んだころ、短大時代の同級生かつ友達のさらちゃんがウマ娘のアニメにどハマりし、GWのタイミングでウマ娘プリティダービーをインストールしたというのを彼女の旦那のツイートで知った。
ちょうどGWはゴルシウィークと銘打ってゴールドシップがログインボーナスをばらまいている時期だった。

まあ、つまらんかったらさっさとアンスコすればいいか。

そしてアドバイスに沿って育成が楽なハルウララサクラバクシンオーの育成をした。
トレーナーである私に全幅の信頼を寄せるウマ娘
ハルウララのシニア級最終出走レースは有馬記念だった。
短距離馬でダート適正。
長距離、芝適性は全くない彼女がビリっけつにもかかわらず懸命に走る。
解説は言う「最後方、ぽつんとひとりハルウララ」。
1着を必ず取らなければいけないレースではない。ビリになるのが走る前からわかる。それでもレース映像をスキップせずに、カメラモードはハルウララを注目するものにして、彼女がゴールする瞬間を目に焼き付けた。
ドバドバと涙が出ていた。ストーリー中、1位じゃなくても楽しくレースが出来ればいいと笑っていた彼女が初めて自分から出たいと言ったレースが有馬記念だった。
勝たせてやりたいがサポートカードもなにも揃っていない初心者トレーナー、ほかのウマ娘を育成して長距離、芝の因子を継承してステータスを底上げしなくてはいけない。
ハルウララのためにスタートダッシュログインボーナスで貰った石でガチャを回して出た長距離馬であるライスシャワーの育成に手を出したが、どうしても天皇賞・春で勝てない。
フォロワーに助けを求めたらフレンド登録をし強力な因子を持つフレンドのウマ娘を組み込むといい、サポートカードの種類を揃えた方がいいとアドバイスを貰った。
でも一番刺さったのは、「初心者に長距離馬の育成は難しすぎるから短距離馬から初めな」だった。
天皇賞・春敗退で夢破れるライスシャワーを作り続けていた私は、たしかに難しかった、とライスシャワーの育成やめ短距離馬育成にまた戻った。

短距離馬の育成、と言われてもハルウララがまた有馬で負ける姿は見たくない。
サクラバクシンオーは簡単だが、彼女ばかり育てても意味が無いと思った私はキングヘイローの育成に取り組んだ。
短距離馬、とあるくせに彼女の序盤目標レースはその殆どが中距離レースだった。
なんで? 短距離って書いてあるじゃん!
レースで勝てずに目標失敗、育成が終了する。
だったら中距離適性を持つウマ娘をフレンドから借りて因子を継承しよう。
また勝てない、スタミナが足りずバテてしまうらしい。
ハルウララサクラバクシンオーもスピードを上げていればどんなレースも勝てたのに、中距離レースになるとスタミナやパワーもないとほかのウマ娘に押し負けるようだ。
サポートカードから何枚かスピードカードを抜いてスタミナやパワーカードを入れた。
また負けた、スキルがほかのウマ娘に比べて足りないらしい。
サポートカード事によってレースを有利に運べるスキルや脚質ごとの専用スキルがあるらしい。
サポートカードの中身まで確認してデッキを組み、育成を再開した。

5月4日。
度重なるキングヘイローの育成失敗に疲れ切っていた。
それでも自分は一流のウマ娘である、と強がる彼女を1着にしてあげたくて、彼女に冷たい言葉を投げる彼女のお母さんを共に見返したくて、深夜3時にも関わらず私はまた育成を開始した。
今までで一番の育成だった。
レースも順調に目標達成し、不調も起こらず、高松宮記念まで進めた。
皐月賞日本ダービー菊花賞の1位は無理だった。でも彼女の目標はそこでは無いと目をつぶった。

高松宮記念安田記念スプリンターズステークス
序盤に中長距離育成をしていたキングヘイローにとって、短距離もマイルも敵ではなかった。
スピードをあげれば結果が着いてきた。

天皇賞・秋
久しぶりの中距離レースだった、3戦、スピード重視育成をしていたからスタミナに自信が無い。
サポートキャラのたづなさんの評価はあえて見ずにレースを開始した。
天皇賞・秋は目標設定1位のレースだ、1位を取らなければ育成失敗、また初めから。
空が白んできた、4時が近い。失敗したら、1度寝よう。
レースには同期ウマ娘スペシャルウィークセイウンスカイがいた。
重賞レース1着を幾度となく奪ってきたウマ娘だ。負けたくないと思った。

レースが始まる、先行育成のキングヘイローは順調に走る。
ラストの直線、前を行くセイウンスカイ、後ろから迫るスペシャルウィーク
末脚が発動する、何かが足りずにレベルが上がらなかった固有スキル「Call me KING」が発動する、接戦を制したのはキングヘイローだった。
深夜から早朝に移りつつある一人暮らしの部屋、小さな声ではあったが泣きながらキングコールをしていた。
f:id:matsumoto_tachi:20210620142248j:plain


友達は驚いていた。
短距離馬と書いてはあるが満遍なく育成をする必要があり、レース目標も過酷なキングヘイローをEXレースであるURAファイナルズ優勝まで持って行ったことに。
そしてそこまでハマったなら、尚更アニメウマ娘を観るべきだと。

Amazonプライムで配信中のウマ娘1期を観た。
一気見だった。
キングヘイロー育成でライバル視していたスペシャルウィークがメインのストーリーで、日本一のウマ娘になるべくトレセン学園に入学しレースに臨むというものだった。
寮ぐらしとなるスペシャルウィークの相部屋相手はサイレンススズカだった。
ガチャで既に出していたが、長距離馬のため育成を後回しにしたウマ娘だ。
スペシャルウィークサイレンススズカの他の追随を許さない逃げの走りに魅了され、「いつかスズカさんと一緒に走りたい」と憧れていた。
しかしサイレンススズカ天皇賞・秋で故障事故によりスペシャルウィークとの約束である「共にレースを走る」約束を果たせなくなってしまう。
アニメでは擬人化されているためリハビリを行いやがて復帰する、というストーリーなのだが、現実は予後不良安楽死されたという経緯を知り大泣きした。
アニメ1期はその後なんやかやありジャパンカップにてフランスからやってきたウマ娘ブロワイエに勝利し見事日本一のウマ娘になった、という終わり方なのだが、同期のセイウンスカイグラスワンダーエルコンドルパサーとの友情、ライバルとしてのやり取りが強烈で、後半はずっと涙を流しながらアニメを観ていた。

こんなに心を揺さぶられるアニメを観たのは久しぶりで、オタクの一員としてフォロワーがこのアニメを強く勧める理由に納得した。

会社の人に「松本ちゃん、ウマ娘って知ってる?」と尋ねられたのだが、アニメをまだ観ておらずゲームだけしていた私は「よく知らんけど馬が女の子になってるやつ」と多少は知ってるくせに知らないアピールをしていた。
多分今聞かれたらめっちゃ良いからアニメ観て、と言うと思う。

1期を観て涙が湧き水のようにボッタボッタ溢れ出ていた私にフォロワーは言った。
「次は2期だな」
まだ……あるのか……。また泣かされるのか、ウマ娘に……。
そう思いながら2期を再生する。
今度の主人公はトウカイテイオーメジロマックイーンだった。
1期のスペシャルウィークと同じチームに所属しているウマ娘だ。

トウカイテイオーは6連勝無敗の二冠ウマ娘シンボリルドルフを目標に掲げてトレーニングをしてきたが、ダービー後骨折をしてしまい菊花賞を見送る必要があり無敗の三冠ウマ娘の座を手にすることが出来なかった。
目標を無敗のウマ娘に切り替えるがその目標レースは天皇賞・春
ライバルのメジロマックイーンが連覇を狙うレースで、結果はメジロマックイーンの圧勝。
無敗ですらなくなり目標を失ったトウカイテイオーはその後有馬記念にも出走するが11着まで落ち込んだ。
メジロマックイーンはそんな彼女の目標になる、と宝塚記念に向けて調整を始めるが、トウカイテイオーはまたも骨折をしてしまいドクターストップまで出てしまった。

1期よりも重苦しいストーリー展開に観るのを辞めたくなったが、トウカイテイオーは自分のライバルだと語るツインターボが「諦めなければまだ走れる」とオールカマーで大逃げ勝ちし、その姿にトウカイテイオーは再度レースに出走することを決めるシーンでボッロボロ涙が出た。

これでトウカイテイオーメジロマックイーンもまたライバルとして切磋琢磨し、レースでまたふたりがシノギを削り合うんだな!と穏やかな日常回を心安らかに観ていたら、12話でガツンと殴られた。
メジロマックイーン繋靭帯炎という病気で引退を余儀なくされたのだ。
2人でレースを走るという約束を守れない、トウカイテイオーの目標であり続ける約束が果たせないと涙するメジロマックイーンに、トウカイテイオーは「だったら今度はボクが頑張る。頑張れば奇跡は起きるって証明する」といつかツインターボが自身に向けた言葉をメジロマックイーンに放ち、有馬記念に臨む。
リハビリで1年間出走してこなかったトウカイテイオーに立ちはだかるのはこの1年で力をつけたビワハヤヒデを初めとする強敵たち。
この中の誰よりも諦めたくない、勝ちたい気持ちがいちばん強いのは自分だと4コーナーでビワハヤヒデに追いつき、見事トウカイテイオーは差し切ってゴール。
泣きすぎて画面が滲んだ。とても良かった。
ラストは復活したメジロマックイーントウカイテイオートレセンの練習用トラックで勝負する、といった明るいエンディング。

中流れるユメヲカケル!
お使いのブラウザはサポートされていません。アップグレードしてください。
はゲーム内でもレース勝利後のライブで閲覧できるのだが、アニメを観た上でのユメヲカケル!は感動も一入だった。
やはり信頼するオタクの勧める作品は食わず嫌いせずに手を出すべきだな……と思った。

とりあえずこのウマ娘というコンテンツ、とても最高だったので次はコミックス、「ウマ娘 シンデレラグレイ」を読もうと思う……。
オグリキャップが主人公の作品なのだが、さすがの私も名前を聞いたことがあるお馬さんなので楽しみです。
(まじでウマ娘に手を出すまでキタサンブラックとかハルウララディープインパクトとかしか知らんかった)