星の子をみた

バカ泣いたし俺は岡田将生を許さない。




以下ネタバレ
未熟児として生まれたちひろ芦田愛菜)の世話に疲れきった家族が会社の同僚から飲めば病気に罹らない「水」を勧められて新興宗教にどっぷりハマっていく。
両親にも新興宗教「ひかりの星」にもなんの疑問もなく過ごしてきたちひろだが、叔父さんが「君たち家族は騙されている」といい、姉のまーちゃんはいつしか家に帰らなくなった。
それでも学校では同じ宗教団体に所属している家の子と仲良くしたり、ちひろに対し偏見なく接するなべちゃんとその彼氏の新村くん、「ひかりの星」について触れてこないクラスメイトたちと穏やかな日々を過ごしていた。
しかし、中学3年時に赴任した新任教師南先生(岡田将生)一目惚れしてからその日々に亀裂がはいる。



とにかくなべちゃんが宗教にハマるちひろの親やその環境に疑問を抱いていないちひろにちょっとした毒を吐くんだけど、根底にあるのがちひろへの優しさや心配しているという気持ちでめちゃくちゃいい子なんですよ。
んでなべちゃんの彼氏の新村くんはそもそも新興宗教にハマってるの知らないし、クラスメイトも察してはいるけどそれでハブにしたり腫れ物扱いしないっていう。
まあ正直「自分には関係ないし」ってスタンスなんだと思うけどね。
でもそれが「南先生」にぶっ壊されるのよ。
下校時刻過ぎてなべちゃんと新村くんとちひろの3人は南先生に家まで送って貰うんだが、その時に家の近くの公園で頭にガーゼ乗せて金星の恵って水を掛け合ってるちひろの両親を「変なのが2匹いる」「今の時期でもああいう不審者が出るから気をつけろ」とちひろの両親を狂人扱いするんですよ。
んでちひろも言わなきゃいいのに翌日(多分)なべちゃんが「昨日ちひろと南先生が2人きりで帰った」ってちひろの恋心を後押しするよう流した噂で激怒している南先生に「昨日の不審者は私の両親です」って言ってしまったから、数日後のHRで「授業中に俺の似顔絵を描くな、あと水飲めば病気にならないとか本気で信じてるのか」ってめっちゃちひろに対して恫喝するんですね。
ちひろはみんなの前で、大声で怒られたことに呆然としちゃうんだが、そこでクラスメイトが「あの似顔絵は南先生じゃなくてアメリカの俳優ですよ」って言い返すの。
たしかに南先生だったんだけど、両親を狂人扱いされたちひろは恋心を無くしてしまって、この絵はアメリカの俳優さんなんだってバレバレの嘘をそのクラスメイトに言ってたんだけど、そのクラスメイトが劇中ちひろとそこくらいしか会話してないのにちひろのために重い空気漂う教室で手を挙げて立ち上がってちひろのために発言するんですよ。
大人よりこどもの方が環境に敏感というか……。つーか南先生があまりにも生徒のバックグラウンドに対して不躾というか……。
まじ苦しくて泣いた。
子どもたちは子どもたち同士で守りあってる姿しんどかった。

ていうか普通に南先生が中学時代の担任教師森先生とダブって辛かった。
理科の先生だったんだけど授業中になんでか標的にされて(別の日には他の生徒を標的にする最低なヤツ)、クラスメイトの前で滅茶苦茶馬鹿にされて、授業後に「どうして人を馬鹿にするような発言をあえて全員の前でするのか、とても不愉快だ」って言いにいったら「俺はお前の方が不愉快だよ」って言われたの今思い出してもムカつくんだが????
あと高校3年の担任。
夏休み明けにママから家出てけ大学の金は出さんって言われて進路1から考え直さなくちゃいけなくなったから相談したのに「ふーん、大変だね」で済ませやがって。俺の味方はどこにもおらんのか……?ってめっちゃ泣きそうになったわ。
結局その時の元手で行ける大学自分で探したしその後のこともばあちゃんとママの友達のおばさんとバイト先のパートさんに頼る流れになって何とかなったけどマジで「自称進学校」の高校はほんとにクソなので絶対行くのやめろって思ってたんですけど弟は同じ高校に進学してました。
彼にいい教師がつくことを願うしかないよね。

正直中学の生徒指導の先生、高校の古典の先生、友達の下駄先生とか尊敬できる先生はいるけどあまりに酷すぎる人もいてなんでお前先生やってんの???って気持ちになる。
なんで教師やってんだよ。


なんかかなり脱線したな。
ラスト宗教団体の施設の近くの小山で両親に挟まれて冬空眺めてフェードアウトするんだけどどうするんだろうな。
両親も後悔したりしてんのかな?
まーちゃん親に何も言わずに結婚して、子供産んだって報告だけ電話で済ませてたんだけど、親も馬鹿じゃないからまーちゃんがどうして家を出ていったのか分かってるはずなんだよな。
孫の顔も見れないんだよ。「ひかりの星」に所属している限り。
ちひろも叔父夫婦が「両親と距離を置かないか?高校はうちの家から通わないか?」って声掛けしてくれた時に「今のままでいい。全部わかってる、大丈夫。」って差し伸べられた手を掴まなかったんですよね。
片思いしていた先生に狂っているって言われながらも今のままがいいのか、両親がこうなったのは赤ん坊の自分が体が弱かったせいだからっていう負い目からなのかわからん。
神さまとか宇宙的パワーとか水とかに縋るほどの思い抱いたことないので。
星空眺めて両親だけが流れ星を見てちひろは見れなかったり、両親が余所見してる時だけちひろが流れ星を見れたり、すれ違ったまま、3人で同じもの見れないまま過ごしてくんかな〜〜〜。
まーちゃんみたいに「サッカーも出来なくて歌も上手くなくて背が低い、コーヒー飲んでため息ばかり着いてる彼氏」みたいな人がちひろにも現れたら変わるかな。
なんだかんだ恋人の価値観って影響強そうだよね。
燻ってる自分を自分の力だけで動き出すことが出来ないのを後押しされるとか、パートナーに嫌われたくないとか、どんな理由でもいいけど。
まーちゃんにとっての彼氏みたいな、ちひろの「ひかりの星」を信じられなくなってきている気持ちを震わす何かが現れて欲しい。
それが別に同じ「ひかりの星」の信者でも、それならそれで同じものを信じる人同士で支え合っていけばいいし、ヤバい新興宗教とか距離おけって強引に引き離す人でもいい。
親がハマった宗教にどう接すればいいのか分からなくなったこどもにただただ幸せになって欲しい。