鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎をみた

新鮮な因習村だ!!!囲め!!!!!




なんかフォロワーが沼に嵌ってたから事前情報なしで突撃したんだけど結構面白くて得した。
途中狂骨が〜って言われて京極堂の方が脳裏を過ぎったがちゃんと映画に集中したので偉い。

冒頭のタクシーの運ちゃんが人の寄り付かない村って言ってたんだけど村ホラーありがちなのだと動物と交わってるだとか、姥捨・役に立たない障害者を捨てに行って煮詰まってるとか、死を扱う職業者が集まるとか(屠殺場とか棺桶作ってるとか)があるけど、薬で儲けてるのに人が寄り付かないのはおもろいな〜と思った。
蓋開けたら幽霊族の血を生きた人間に打ってそれを「M」にしてたってくだりで、最初村の人間を?と質問したゲゲローに乙米が村の外の人間で、村の人間は原料になった外の人間の面倒を見る役だって言ってたのと、水木の上司が今度は無事に帰ってきますかね?みたいなこと言ってたから拐ってきたり村に来た人間もれなく薬の原料にしてたんやな。
だから誰も寄り付かない。行ったら帰って来れない村だから。

薬のことを何も知らない入婿の克典はゲゲローの処刑を水木が止めた際に間に入ったのも、あんとき本家も分家も全員村の外の人はどうなろうがって思ってたんやなぁ。

時貞翁の子どもも中々に……て感じだったな。
長男時麿は時貞の代わりに幽霊族から血を抜きとるシステムで発生する狂骨とそれを抑える結界を維持する儀式をするために外に出ちゃいけないのはともかく、儀式のために女の人と結婚が出来ないのは可哀想だなと思った。システム構築者の時貞翁は子供作ってんのになぁ。
地底湖戦の時に不安だったから精神を乗っ取る術を〜って言ってたが、死後本来は時麿に乗り移って、また血を濃くするために娘(時麿視点姉妹。とはいえ薹が立った実の娘とはさすがに交わらないか……)と姪の紗代との間に子供作るために未婚でいさせたのか?嫁いると大変そうだしなぁ。分家筋から貰うのでいいんじゃ?とは思ったけどこだわりがあったんかな。霊力が強いとか言ってたし。


家長精神乗っ取りシステムをいつ構築したのか定かじゃないが子供できる前からなら孝三はちっとも期待されてなかったんやろなとその名前から察せられて可哀想。
私が時貞なら時麿が不慮の死で使えなくなった時のサブとして孝三もちゃんと育てるけど、それだと長男次男で争いあいそうだから敢えて差を作ったんだろうなぁ。
ちゃんと育てないからゲゲローの奥さんに惚れて禁域吶喊をするアホムーブをしたとも言える。

乙米、丙江、庚子はもう名前からして、女は役たたずってハナから決め打っててやな感じですね。
ただ気になるのが十干ベースなら甲を長男として乙長女、丙二女、次男孝三ってテイにするなら丁、戊、己飛ばして庚がいるのはなんでだろ。
水木もそうだが公式サイトのキャラ説明にもちゃんと長女次女三女、長男次男って載ってるから間に死産あるいは戦死が挟まってるわけでは無さそうなんだけどな。
気になる〜。
三人娘で面白いのは長女が幅を利かせてるけど、実際乙米が時貞との間に産んだのは女の子、丙江は近親相姦を嫌がったのか駆け落ちするも連れ戻されて(相手の男は殺されたんだろうな…丙江も折檻受けてそう)時貞との子はなし。一瞬時後のシーンが移るから、誰彼構わず抱かれることで時貞に手を出されないように防衛してたんかもな。時貞も嫌でしょ、自分の子か、村で適当に引っ掛けてきた男の子か分からない子を家系譜に入れるの。
んで、家で1番大事な男の子を産んだのが三女の庚子。
だから中盤時弥は私の子だって吠えて乙米を牽制できる。
まあ乙米は何がなんでも時弥を次代にしてシステムを回すって言い切ってたから乙米>庚子>>>>丙江くらいのパワーバランスぽい。
庚子嫁に出されてるから時弥はいずれ龍賀に養子として貰われてたかもね。。
時の名前付けられてるし。
時麿が身体的に使い物にならなくなったら同じ術で時弥に移る予定だったのかもしれん。

乙米が庚子に強く当たるのは長田との関係もありそうでドロドロですわ…。
長田さん良かったな〜、庚子の旦那になってるからずっと乙米とは距離保って奥様とかお嬢様って言ってたのに、地下で紗代が大暴れして乙米が襲われた時は乙米の名前を叫んでるし、きっちり仇うって死んでる。
名前呼びなけりゃ強めの主従関係、乙米から長田に矢印向けてるだけか?と思ってたが、あの名前呼びで身分違いの両片想いの波動を感じてとても良かった……。
良かったけどそれはそれとして何らかの契約関係がありそうとはいえジジイが娘たち相手に好き勝手してる横でプラトニックにラブってるのはどういうことだよテメェとは思う。
どいつもこいつもゲスばっかや。

沙代、時弥はそれぞれ時貞×乙米、時貞×庚子の子だったが、更にそこから時貞×沙代に発展してたと発覚した時のキショさよ。
そりゃ水木も吐くし、沙代は運命の人なんて夢見がちなことを言う。
沙代と時弥を純粋に被害者として見れるけど、言うてあの村の中で沙代は性被害に合ってるとはいえ良い着物を着て良い物を食べて良い家に暮らしているのは幽霊族と外の人間たちへの外法と引き換えにしているので、悪くは無いが彼らから見たら加害者の一員ではあるのでそれぞれ妖怪に憑かれて最期は塵になったり、トキサダの代わりに地獄行きか?みたいになってたが、ラストちゃんと天に昇れて良かった良かった。
そんなすぐに表出するもんなのかはさておき時弥の病弱さは近親相姦の弊害とも見れるし、克典は乙米と結婚した時沙代についてどう説明を受けたのかは知らんが(前の夫との子だが戦死したのでシングルって設定で、会社員で水木同様踏み躙られないよう力が欲しいと邁進してた克典に目を付けた時貞が再婚してやってくれとか言ったとか?)、水木が沙代と村の中を歩いてる時結構おざなりに欲しければくれてやるさなんて言ってたから親の愛情あんま感じてなさそう。てか普通に虐待よね、おじいちゃん(実際は父)に襲われてるのに助けてくれない母親。

ところ変わってオアシス化するゲゲゲの親父と水木のバディ。
水木が死ぬまで仲良くしてくれよ……と思ったけどさすがにラストの墓地シーンで目玉親父の状態で水木の前には出られなかったか…。
記憶ないのに親父の嫁さん弔って、墓から生まれた鬼太郎を殺そうとしたけど思い留まって抱きしめてくれた相棒水木…これまで最低最悪な人間たちを見せつけられたところに強烈な「光」を浴びて焼けそうでしたね、目とか脳が。

いや……あの……色々思うところはある。
沙代との初対面でわざとらしく優しさを演出するの、ちゃんと龍賀の人間てわかった上でやった、下心ありきのあの行動が良いとか、時弥みたいな小さい子は無条件で幸福を得るべきだって素直に思っているところとか、怪異に充てられすぎて不調が鼻血として現れてるところサイコー!とか、未来に夢見る子どもが死んでしまったならもうこの国がどうなろうが知ったこっちゃないないんて個人のエゴで言っちゃう所とか、だけど相棒が自分に子がいるならその未来を守りたいって願いを聞き遂げたりとか。
巨大な感情がここにはあるが語彙が不足しています。
2回目見ることがあればたぶん水木1点集中視聴になりそう。